【無料】優良企業エンジニア向け新人研修まとめ【2021】

テクノロジー

エンジニア・プログラマ向けの新入社員・新人研修を、ネットで公開する企業が増えてきました。

「ここまで出しちゃっていいの? 無料で?」
と思えるぐらい充実してきています。

今回は、そういった企業が増えている理由とともに、無償公開され自由に閲覧できるエンジニア向け新人研修へのリンクをまとめます。

加えて、学生の企業選びにも参考になるようなコメントをできるだけ入れていきます。

社内の新人向け研修を、わざわざ公開する理由

新卒社員を経験したことがあったり、企業で新人向け研修を受けた経験がある人ならば、「社員向けの新人研修を外部に公開するなんて・・・」と思うのが通常でしょう。

なぜなら、その内容は社員向けであるがゆえに、社外秘の機密情報が含まれます。また、新型コロナ・ウィルスが流行する前は、リアルに会議室で行われるのが普通でしたから、社員のプライバシー問題から始まり、そもそも会議室でカメラ撮影がNGだったりするなど、面倒な問題が山ほど発生します。

では、なぜそんな面倒なことをする企業が続々と登場しているのでしょうか。

その理由を独自に分析しました。

理由1)採用活動を有利に

一番大きな理由は、採用活動に益するためでしょう。つまり、

我が社はこんなに手厚く研修をしていますよ〜!

というアピールです。

実際、優秀でまじめに働いてくれるエンジニアほど、勉強熱心で上昇志向が強く、会社選びのときにも、自分が成長していけるかどうか、を優先させていることが多いです。

手厚い研修をやっていること、あるいは、勉強するカルチャー・社内文化があることを内外にアピールできれば、優秀な人材を引き寄せる効果が出てきます。

理由2)そもそもリモート・TV会議形式で行うために、ネット公開がカンタンに

新型コロナ・ウィルスのために、通常業務だけでなく、新入社員研修さえもリモートで行う企業が急増しました。

ZoomやTeamsなどを利用してリモート会議を行ったことがある方ならすぐわかりますが、録画・録音が非常にカンタンにできます。リアルな会議室で必要なカメラ準備や撮影などの手間がかからず、ポチッと押すだけで録画できます。

しかも、社内が一切映っていない動画をチェックして公開するだけですから、手間が激減しました。

また、このおかげで講師の講義がフルフルに詰まったコンテンツが公開されるようになり、内容が充実してわかりやすくなる効果が出ています。

理由3)技術の内容はそもそもオープンで全世界共通

プログラマ・エンジニアの技術情報は、そもそもオープンであって、技術・テクニックそのものを教える分には、ネットや書籍に書いてあることばかりであり、秘密にしなければならない情報がありません。

たとえば、「JavaScript」を一般情報を使って一定のレベルまで教えたあと、社内にのみ必要な情報を教えるカリキュラムをつくることは難しくないでしょう。つまり、講師がコンテンツを作る時に、社内の機密情報を分けておけば、公開できる部分をカンタンに仕分けることができます。

企業によっては、数学の講義を公開しているケースもあります(後述)。数学も、全世界共通のオープンな知識で、プログラム言語と似ています。

プログラマ、エンジニア向け新人研修をまとめ

では、無償公開されている新入社員向け研修を一つ一つ見ていきます。

リクルート

まず、先駆けとも言えるリクルートの新人研修です。

リクルート社は、新型コロナ・ウィルスが出てくる前から、新人研修を毎年公開していました。

2021年版の目次を眺めると、「AWS(Amazon Web Services)」の知識が多く含まれており、社内でフル活用されていることが想像されます。

AWS(Amazon Web Services)」も、プログラム言語や数学と同じく、全世界共通のオープンな技術知識ということなのでしょう。

ミクシィ

リクルートに続いて今年そこそこ話題になったのが、ミクシィ社の研修公開でした。

目次を眺めると、その内容は「スマホアプリ」を開発するスキルを獲得するものでしょう。スマホアプリのプログラム言語そのものの他に、「Git」や「Unity」など現場で必須の知識を学ぶ内容に見えます。

我々の世代にとって、「ミクシィ」は誰もが使ったパソコン時代のSNSでしたが(笑)、現在はスマホゲーム開発の会社、ということなのかもしれません。

サイボウズ

「グループウェア」の分野で老舗とも言える「サイボウズ社」です。

スマホが出てくる前に、企業向けの社内コミュニケーションがブラウザでできるツールを開発し普及させました。

その内容は、Webの技術知識とその開発現場で必要な考え方を学ぶものにみえます。

サイバーエージェント

次は、サイバーエージェント社の新人研修です。

公開されているスライドは、チーム仕事の考え方・哲学を伝えているようです。何を取り上げどう強調しているかを観察すると、企業のカルチャーが感じられるのかもしれません。

サイバーエージェント社は、日本のインターネット勃興期に、バナー広告の販売で急成長した企業です。あの「ホリエモン」と同時期に起業して、史上最年少社長で上場したことでも有名になりました。

トップが若いためか、若い世代の登用・採用を前面に押し出してPRしていた印象が強いです。

「アメブロ」などWebサービスをいくつも成功させたり、スマホ登場後は「AbemaTV(現在は、ABEMA)」を押し出すなど、華麗に変化・成長しているイメージがあります。

GMOペパボ

次は、GMOペパボ社のエンジニア研修です。

もともとは「paperboy&co.」という社名でしたが、GMO社の資本が入って子会社化し、現在の「GMOペパボ」という社名になっています。

私の印象に残っているのは「ムームードメイン」の登場です。当時激安でドメインを提供してくれました。当時から今までずっと利用しています。

公開されているスライドの冒頭に、「Webセキュリティ」というテーマが出てきているのは、この企業がドメインやレンタルサーバを提供してきた企業であることを象徴しています。

リクルート社と比較してあまり目立たないのですが、昨年もきちんとエンジニア研修を公開していました。

セガ

最後は、番外編に近い内容かもしれませんが、「セガ」の研修です。

公開されているのは「基礎線形代数講座」、つまり、数学の講義のごく一部です。

「セガ」はもともとゲーセン(ゲームセンター)、つまり、アーケードゲームの世界で成長し、家庭用ゲーム機でもヒット作品を次々と提供しました。

現在のゲーム開発現場では、ゲームに必須の3D描画をしてくれるソフトウェア(ライブラリ、フレームワーク、などの部品)が充実しており、必ずしも数学を必要としません。

しかし、一歩踏み込んで、高品質のCG(コンピューター・グラフィックス)を自ら計算して表現しようとすると、突如「数学や物理学が必須」という世界に変貌します。

よって、ハードウェア(ゲーム機など)まで含めたゲーム開発をやってきた企業として、数学を重要視している姿勢が伝わってきます。

まとめ

ネット上で無料公開されている、エンジニア・プログラマ向けの新入社員・新人研修をまとめました。

知識そのものを習得することに加えて、それぞれの企業が何をやっていて、そのために何を重視しているのかを、かいま見ることができます。

お役に立てば幸いです。

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