不動産テックの魅力と特徴5選 ― まだネットにつながっていないリアル

テクノロジー

以前、「X-Tech(クロステック)」いわゆる「なんとかテック」をテーマとして取り上げました。

激増の背景をあぶり出す「X-Tech(クロステック)」事例8選
「〇〇テック」という言葉がはやっています。後ろに「テクノロジー」の略である「テック」をつけて、「(なんとか)テック」という言葉が飛びかうようになりました。これをもう少しかっこよく、「X-Tech(クロステック)」と呼び、これを会社名にした企業まで出てきています。今回はこの「X-Tech」の注目事例をまとめて、「なんとかテック」が...

この「X-Tech(クロステック)」の中でいま注目されている「不動産テック」について、その魅力や特徴をお伝えします。

魅力1)新しいビジネスモデルと新しいテクノロジーがからみあう

「不動産テック」という言葉が普及しつつあることを確認できる資料として、まずは「カオスマップ」をみてみましょう。

一般社団法人不動産テック協会 カオスマップより引用

設立して間もないの企業もあれば、すでに長い歴史を刻んでいる企業もあって、まさに「カオス」の様相ですが、これを眺めていると、わくわくするポイントが1つあります。

それは、いろいろなビジネスモデルとテクノロジーが組み合わさって見えてくるところです。

たとえば、こんなキーワードが浮かび上がってきます。

  • クラウド・ファンディング
  • FinTech
  • 地理情報
  • メディア
  • 建築
  • ブロックチェーン
  • SaaS
  • ビッグデータ
  • 人工知能・AI
  • IoT
  • シェアリング・エコノミー
  • バーチャル・リアリティ
  • スマートハウス
  • スマートシティ
  • スマートスピーカー

「不動産テック」という土俵の上で、これらのビジネスモデルやテクノロジー、特にバーチャルとリアル、ネットとリアルがからみあって、サービスを提供し、あるいは競争する状況です。

ここから予想されることは、別の業界・別の領域からの参入がもっと増えてくることです。
業界が活性化して、新たなおカネの流れが起きて、新しい世界が展開します。

ワクワクしてきませんか。

魅力2)動く金額が大きい

最近流行している「サブスク(サブスクリプション)」という言葉があります。
ほとんどの事例が、月数百円でちょっとずつ多くの人からおカネをもらうモデルです。

それに対して、不動産の場合、安い部類の賃貸物件でも「何万円」の単位です。売買なら、何千万円から都心のマンションでは億単位の価格がついているものも普通にあります。

動く金額が大きいとともに、利益率もそこそこ高い傾向があります。
いわゆる「大家さん」になることが老後の理想となりえるのは、利益率が高いことがその条件です。
あるいは、不動産売買を仲介した場合、日本国内では6%の手数料をもらうことが普通ですが、動く金額が大きいので6%といっても大きな金額になります。

魅力3)効率がよくない

賃貸アパートを借りたり、不動産を売買したことがある人ならすぐわかります。たくさんの紙の書類がやりとりされます。そして、自筆のサインを何回もさせられ、印鑑を何度も何度も押すことになります。

不動産だからと当たり前に感じるかもしれませんが、ネットショッピングやメルカリと比べてみてください。なぜ同じ買い物なのにここまで手間が多いのでしょうか。

以前、マンションの売買をする不動産屋さんと話したときには、「毎年書類が1つずつ増えていく」とおっしゃっていました。これは、行政の法律や規制が毎年どんどん増えていくことも意味しています。

公開情報よりもここだけの話し。情報格差でビジネスが成り立つケース。

クローズドな情報もまだまだたくさんあります。

「そんなことはないでしょ、SUUMOやホームズに何百万件も載ってるよ。」

そうです。さらに、不動産屋さんのみがアクセスできる「REINS(レインズ)」というデータベースサービスにはもっとたくさん載っています。ただし、「REINS(レインズ)」に載せることは、不動産屋さんの義務ではありません。

つまり、公開されない物件情報が、まだたくさんあるのが現実です。
むしろ、お得な物件は「REINS(レインズ)」などに公開されることなく取引されるともいわれています。

これに似た状況の業界を、ある意味で破壊してきたのがインターネットです。

魅力4)ローカル。GAFAがいない。

不動産なので当たり前ですが、その場所、その地域、その土地に完全に紐づいていて、離すことはできません。
上述のような、クローズドといえば聞こえが悪いですが、その地域独特の慣習や物件の特徴がありあす。

もともと、インターネットは、地理的距離的な制約が一切ないことがメリットです。地球の裏側にいても隣の部屋にいても、同じようにコミュニケーションできるのがその特徴です。逆に、場所に依存した情報を扱うのは苦手で、手間がかかります。

実際のところ「GAFA」に代表されるような企業やサービスが、そのままでは入ってこれません。
これは、アメリカでトップを走っている「不動産テック」領域の企業の名前をみるとすぐにわかります。

【最新版】アメリカ不動産テック カオスマップ 市川 紘(Ko Ichikawa)氏のブログより引用

日本人になじみのあるブランド、日本で普通に知られている企業がほとんどないのがわかります。

外国からみた参入障壁はかなり高いのです。ただし、この壁をさらっと飛び越えてきた事例も出始めています。
たとえば、「wework」です。
2018年2月六本木でのオープンから、1年ほどで一挙に全国14拠点を展開しています。

テック企業が入り込む余地のある業界の特徴【一般論】

テック企業が入りやすい、あるいは、ネットのテクノロジーを入れることで革命を起こした業界の特徴といわれていることが3つあります。

1)巨大
2)利益率が高い
3)効率が悪い

不動産業界が、この条件にマッチしているとしたら、テック企業が席巻するのは時間の問題だったのかもしれません。

これに加えて、「不動産テック」のムーブメントにはもう一つワクワクする特徴があります。

魅力5)ミレニアム世代が、ミレニアム世代に向けて

「ミレニアム世代」という言葉には複数の意味があるようです。
ここでは、現在20歳から35歳ぐらいまでの人たちのことを「ミレニアム世代」と呼びます。

日経の記事をまとめて加筆した「不動産テック」の本があります。

この本によれば「不動産テック」の発信源は、シリコンバレーではなく、ニューヨークの「フラットアイアン地区」であることが書かれています。ここに集中している起業家たちのほとんどが「ミレニアム世代」です。

そして、その企業群のターゲット、つまり、メインのお客様も「ミレニアム世代」の若者です。

もっと大胆にいうと、「20代の人たちが20代の人たちに向けてサービスを提供し、世界を変える革命を起こしている」という形になっています。

まとめ

「不動産テック」の特徴を、5つにまとめてお伝えしました。
お役に立てば幸いです。


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