【D2C】一品勝負でニッチを突き抜ける事例とその戦略

マーケティング

「D2C:Direct To Consumer」をテーマに、今回は事例を多く取り上げながら、その本質やマーケティングの特徴に迫ります。

今回注目したいのは、「一品勝負」「一点突破」、つまり、「ニッチを突き抜けてブレイク」する作戦です。「D2C」のさまざまな事例をみながら、その戦略を見抜いていきましょう。

「D2C」の概要を解説した前回記事はこちらです:

事例)Allbirds /D2C代表事例

「D2C」の大成功事例として、いろいろな記事にも取り上げられている企業が「Allbirds」です。

Allbirds Japan
メリノウール、ユーカリの繊維、サトウキビと言った自然素材を使い、オールバーズはサステイナブルで快適なシューズを開発しました。

わかりやすいように日本語のページをリンクしますが、アメリカ発です。

このような非常にシンプルなスニーカーの一品勝負でブレイクしました。

allbirds社Webサイトより引用

特徴は、メーカーやブランドのロゴがないことです。

スニーカーは普通、メーカーやブランドのロゴマークが大きくデザインされています。「このマーク、無くていいんじゃない?」というのが既存メーカーに対するカウンターパンチの一つです。

靴として品質がよいこと、シンプルなデザインながらロゴがないなどの特徴があり、さらにいわゆる環境にやさしい素材を使うなどで、アメリカ西海岸・シリコンバレーの起業家たちの間で大流行します。

ブレイクしたあと、アパレル全体へ商品のラインナップを増やし、販路も増えていきます。

2020年1月には、東京・原宿にリアル店舗を出店しました。

事例)atoms /「ぴったり合う」の一点突破

もう一つ、靴・スニーカー事例として「atoms」を取り上げます。

Most Comfortable Shoes for Everyday Wear
Atoms are the most comfortable shoes for everyday wear. Elastic laces, copper lining, breathable materials, simple design makes them ideal everyday shoes.
atoms Webサイトより引用

前述の「Allbirds」に似たスタイルの靴ですが、「atoms」の突き抜けポイントは「ぴったり合うサイズの靴」でした。

「クォーター(0.25インチ)刻み」のサイズ展開をしています。
日本の感覚で言うと、0.25cm刻みでサイズがある感じでしょうか。つまり、普通の靴のサイズよりも間にさらに1段階入るイメージです。

そして、購入時にはその上下一つずつのサイズを含めた3足が送られてきて、一番合うものを選んでもらい残りの2つを返送してもらうスタイルをとりました。

この「1足の注文に3足送ってしまう」という手法は、アパレル系ECが勃興する時代に「Zappos(ザッポス)」という企業がやり始めて話題になりました。

Access Denied

「atoms」は、当初白と黒しかありませんでしたが、事業の発展に伴い、カラーバリエーションが増えています。

事例)Pair Eyewear /着せ替えで一点突破

次に紹介する「ニッチの一点突破」は、着せ替えできるメガネです。

Pair Eyewear: Customizable Glasses and Sunglasses
Customizable glasses and sunglasses that you'll love. Get your first Pair for , including prescription lenses.

ベースフレームを買って、トップフレーム(前側)を着せ替え用として追加で買います。

ベースフレームが$60、トップフレームが$30ぐらいで、当初は子供向けが押し出されていましたが、現在はすべての年代に向けて販売しているようです。

トップフレームはマグネットでくっつく形で、カンタンに付け替えられるのがポイントです。映画やアニメ作品、スポーツ選手などとのタイアップで、付け替える側のトップフレームをどんどん追加購入してもらうことを目指しているようです。

事例)cloud paper /竹でできたトイレットペーパー

「D2C」企業が顧客に訴求するポイントで、一番よく出てくるのが「環境にやさしい」ことです。

「cloud paper」は、紙なのに木材を使わず、100%竹でつくるソフトなトイレットペーパーを提供します。

Cloud Paper | Bamboo Toilet Paper
Tree-free toilet paper made with 100% ultra-soft bamboo, delivered straight to your door. Get sustainable toilet paper for the same price as your store bought b...

この事業のもう一つの特徴は、「サブスクリプション」です。

つまり、あらかじめ定額料金を支払っておくと、注文された頻度で送ってくれます。

一定の契約期間を持たせて前払いさせることで、企業側は一定期間先までの収入を予測でき、事業として安定します。

ユーザーのほうは買いに行くわずらわしさなく、申込んだらあとはほっておけば、勝手に送られてくる、というわけです。

新型コロナウィルスの流行で、ユーザー数は6倍に成長したそうです。

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事例)和もん /和風のピクルス

最後に紹介するのは、日本発、国内からの食品事例です。

「和もん」というブランドで、和風のピクルスという和洋折衷的な漬物での一点突破です。

和ピクルス「和もん」
「和もん」は、国産有機野菜とフルーツを素材に、天然酢と天然だしをエッセンス(ピクルス液)とした新感覚の和ピクルスです。全14種類、化学調味料を一切使わず、安心して食べることができます。「お疲れ様」のお供に、ココロとカラダにやさしい和もんを。

食品のなかでもニッチな「漬物」というカテゴリーで突き抜けようとしたのが斬新でしたが、注目したいのはその立ち上がり方です。

現在は、前述のようなWebサイトがありますが、「あの」Techcrunchに取り上げられた当初、Webサイトはありませんでした。

TechCrunch • Startup and Technology News
TechCrunch • Reporting on the business of technology, startups, venture capital funding, and Silicon Valley

そのときあったのは、クラウドファンディング・サービス「Makuake」のページと、「note」というサービスのブログだけでした。

Makuake|おうち時間のお供に最高の味を。旨味と酸味が効いた和ピクルス「和もん」先行販売|Makuake(マクアケ)
お酒のお供に、ご飯の一品に、最高の味を。だし香る和ピクルス「和もん」を先行販売。 「和もん」は、天然素材のみで製造したお酢とだしを使った和もんエッセンス(ピクルス液)に、素材をしっかり漬け込んだ和ピクルスです。 酢漬けですが、出汁を染み込ませることで酸っぱさを押さえ、和の旨味を表現しています。「和もん」のテーマは、...
石根友理恵(ゆりえ)|note
SEAM,Inc CEO/和ピクルスD2C「和もん」を運営しています。3歳の子育てもしてます。お酒と漬物とごはんとサウナが好き。 ツイッターは

大量のフォロワーがいるSNSアカウントがあったわけでもなく、りっぱなブランドWebサイトやECサイトがあったわけでもなく、クラファンとnoteだけの状態から始まる成功事例は、あとに続く起業家たちが参考にすべきでしょう。

まとめ

「D2C」の本質にせまるべく、「一品勝負」「一点突破」での成功事例を紹介しました。

いわゆる「弱者の兵法」のセオリーどおりに戦っている事例とも言えます。

お役に立てば幸いです。

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