原稿は書くべきか書かざるべきか~企画書の書き方メリット・デメリット

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企画書作成の手順・方法論でよく話題になる、下書きや原稿を書くべきかどうかについて、メリット・デメリットをまじえながら、紹介します。

このブログでは、ホームページ・Webサイトの企画制作を念頭においていますが、他の業種や業界でも通用する普遍性のある内容です。

企画書の、下書き・原稿を書くべき3つのメリット

企画書の仕上がりを、一番よく使われるA4横相当のスライド形式だとします。すると、たいてい議論になるのが、下書き原稿を書くべきか、書かないべきか、です。

下書き原稿を書くメリットはいくつかあります。

メリット1)全体のストーリーが見えやすくなる

スライド形式のページものにしてしまうと、相手に説明するときには一度に言いたいことが絞り込まれてちょうどよいのですが、全体を俯瞰(ふかん)するのは不便です。

全体のストーリーがかたまってくるまで、あーでもないこーでもないと紙の上で検討するときには、下書き段階の文字原稿のほうがわかりやすいことがあります。

メリット2)スライドに仕上げるよりも作業が早い

特に、プランナー初心者の場合、企画全体のストーリーがあいまいなら、できあがりイメージもあいまいです。

伝わりやすい体裁、配色、イメージのつくりかたは、企画ストーリーを練ることとはまた別の能力です。加えて、こうしたいをすぐにパワーポイントなどのソフトの操作に置き換えられる、どう設定したらいいかすぐにわかるには、それなりの訓練期間が必要です。

ただし、これはパワポなどのソフトの習熟度によるので、原稿書くぐらいだったらさくさくパワポに入れたほうが速い、ということもありえます。

メリット3)上司や先輩の手を借りられる

原稿をつくって上司や先輩のレビューを重ねることで、作業の初期段階で少しずつ調整を重ねながら、企画が仕上がっていきます。自分の意見が通らなくなる可能性はありますが、組織仕事が可能な方法論だと言えます。

結論)下書きを書く方法は、初心者から中上級者まで使える

よって、下書き原稿を書く手法は、初心者から中上級者に上っていくときに無難な方法です。

企画書作成の初期段階では、ヒアリング・オリエンの内容をみたり、あちこちに分散している調査内容をみたり、打ち合わせのメモをみたりなど、いろいろな資料をみながら考えることになりますので、考えをまとめる手間は小さいほうがやりやすいでしょう。

スライドの体裁を考えながら原稿を仕上げる

最終的にスライドにするときのイメージで、原稿をページで分けていきます。

このページではこのメッセージを伝えてこれを説明する、ということを整理していく作業は、原稿を先に書いたほうがやりやすいでしょう。

本を作る現場では、「台割(だいわり)」と呼ばれる資料をつくります。各ページに何が書かれるかを割り振っていく資料を「台割」と呼びますが、企画書をつくるときも、まさしく「台割」をつくってから、だんだん詳細な記述を加えて原稿を仕上げていく方法が有用です。

それでもいきなり書け、というヒトはいる

それでも、原稿など書かず、いきなりホンモノ・できあがりを作り出しなさい、と主張するヒトはいます。これにはメリットがあります。

メリット1)熱量が伝わりやすい

一番のメリットは、情熱、気持ちのようなものが伝わりやすくなることでしょう。

原稿を書いて推敲を重ねると、ロジカルにつめていくのでスキの少ない企画に仕上がっていく一方、当初企画をひらめいたときの盛り上がり・気持ち・モチベーションのようなものは、時間の経過とともにだんだんと小さくなって削がれてしまいます。

メリット2)できる範囲内で仕上げられる

また、原稿を先につくる手法では、最終的な仕上がりで実現できない原稿を作り出してしまうことがあります。いきなり最終成果物をつくれば、最終的に仕上がりませんでした、ということはほぼありません。ある意味でできる範囲の中での勝負となります。

デメリット)ひらめくまで作業不可

この手法ですと、伝えたいことや伝えかたが明確になるまで、あるいは、考えに考えた上で啓示のようにインスピレーションを受けてひらめくまで、作業ができないことになります。他者との共同作業には向かないやり方です。

天才型・作家型の仕事のしかたと言えるでしょう。

いいとこ取りの、分業・混在型

10年以上前になりますが、企画書原稿を書くことと、ページの仕上げをすることを分業して、上述の混在型で仕事をするプランナーと出会いました。

当時は、パワーポイントなどのスライドソフトの機能が貧弱で美しい仕上がりにならなかったので、Adobe IllustratorやQuarkExpressなど、グラフィックデザイナーや組版に利用するソフトを使って、企画書をつくることもよくありました。

そのかわり、デザイナーがみてどういう体裁にしたらよいかわかるように、原稿の体裁をある程度整えておきます。Wordなどである程度ページネーションまで含めてつくったものを、デザイナーがイラレでつくり印刷してもらう、という工程を踏んでいました。

いまは、パワーポイントなどのスライドソフトの機能が充実し、美しいフォント(書体)もたくさん出ていて自由に使えるため、Adobe IllustratorやAdobe InDesignなどで企画書をつくるメリットは小さくなっています。

まとめ

企画書を作成するときに、原稿・下書きを書くべきかどうかについて、メリット・デメリットをまじえながら紹介しました。

お役に立てば幸いです。

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