アドテクへデータを集めろ! ビッグデータで成り立つネット広告のテクノロジー2選

テクノロジー

「ビッグデータ」という言葉が流行し始めてから何年か過ぎました。

流行した言葉は、流行しなくなってその実とともに消えていくか、あまりにも当たり前になってあえて言う人がいなくなっていくか、だいたいどちらかの道をたどりますが、「ビッグデータ」は後者になって当たり前のものとして定着していっているようです。

たとえば、最近流行している「人工知能(AI)」は「ビッグデータ」の活用のしかたの1種だと言うことができます。

今回は、インターネット広告に関連するテクノロジーで「ビッグデータ」をフル活用する技術を2つ取り上げます。

DMP:Data Management Platform

「DMP:Data Management Platform」とは、お客様・ユーザーの情報をものすごくたくさん溜めておいて、それを主にネット広告掲載のために利用する技術です。まさしく「ビッグデータ活用」です。

「DMP」では、そのお客様の情報を、いろいろな切り口で分けます。これを「セグメンテーション」と呼びます。

セグメンテーションの例

たとえば、旅行会社の予約Webサイトを想像してみましょう。

まず、Webサイト内でのユーザーの行動をデータとしてたくさんためておきます。

次に、広告を出す条件を考えます。たとえば、若い社会人女性向けに沖縄ツアーのキャンペーンで広告を出したい、というケースでは、

「20歳から34歳の、女性で、過去半年に1回以上サイトでチケット予約したことがあり、沖縄のページを過去1ヶ月に10回以上みている」

というような非常に細かい条件を指定して、これに合うユーザーだけに沖縄ツアーの広告を出す、ということがDMPではできます。ぴったり合うヒトにしか広告を出さないわけですから、効率がよさそうで効果が出そうな感じがします。

「ビッグデータ」が必要

逆に言うと、この細かい切り口(セグメント)で一定以上のユーザーデータが集まっていないと、それに対する打ち手(例:沖縄ツアーのネット広告)を出しても効果があまりない、ということになります。

だから「ビッグデータ」が必要なのです。つまり、たくさんのユーザーがたくさんの行動データを残していくWebサイトである必要があります。

つまり、大規模サイト・大企業向けの技術だ、ということになります。

DMPは、DSP広告や他の打ち手と連携させる

実際には、上述のような切り口をたくさんセットして、テストを繰り返していくような手法をとります。以前の記事を読まれた方は、「DSP広告」に似ていると思われたかもしれません。

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実際に「DMP」は「DSP」と連携させることが多いです。

また、広告だけではなく、メールマガジンを出したり、限定サービスをDMで送ったり、SNS発信したりなど、いろいろな手法と組み合わせるDMPサービスもあります。

目指すところは、お客様ひとりひとりに合わせて打ち手を考えるところにあるかもしれませんが、実際は「セグメント」といういろいろな条件で分類した人たちに対して、打ち手を設定します。

MA:Marketing Automation/マーケティング・オートメーション

「MA:Marketing Automation」とは、お客様が買うまでの行動・プロセスを考えて、それを設定しておくと自動的で実行してくれるツールです。

MAもDMPと同じように、お客様の情報を集めて溜めておくことが必要です。

よって、MAサービスには、お客様の行動データ(ログ情報)を集めて溜めておいたり、CRMなど他のシステムからお客様の情報をまとめて取り込んだりする機能があります。

例)ネットで有料サービスを契約する

たとえば、ネットで有料のサービスを契約する行動・プロセスを考えてみます。

まず検索サイトから、自社サイトに入ってきて、Facebookの「いいね」ボタンを押したとします。

「いいね」を押したヒトには自動的に該当のFacebook広告が配信されるよう設定できます。

そのFacebook広告から自社ブログをみて、資料ダウンロードを申し込み、メールアドレスなど連絡先を送ってきます。

最近資料ダウンロードした、など一定の条件で絞り込んで、限定キャンペーン情報のお知らせをメールで送ります。たとえば、「いま契約すると30%オフ!」というイメージです。そして、契約に至ります。

一連の行動をセットする「シナリオ」

この一連の行動をMAサービスでは「シナリオ」と呼ぶことが多いです。シナリオで無限の組み合わせが設定でき、それが自動的に動いて成果を上げていくことを目指しています。

打ちては、ネット広告やメール、SNSなどパソコンやスマホを介したものだけでなく、コールセンターから電話する、営業マンが訪問するなど、指示連絡を飛ばす機能も持っています。

「MA」運用は、顧客リスト不足との戦い

「MA」の難点は、使っていると顧客リストが不足してくることです。

どんどんと新規の顧客、見込み顧客を流し込まないと、せっかく設定した「シナリオ」が機能しません。

また、いわゆる潜在顧客が見込み顧客になり、購入した顧客になって、リピーター=ロイヤル顧客になっていく流れを、「ナーチャリング」と呼びます。これも「MA」の台頭、普及にともなってよく語られるようになった言葉です。

まとめ

アドテク、インターネット広告の技術のなかでも、「ビッグデータ活用」の面で注目されている「DMP」と「MA(マーケティング・オートメーション)」を紹介しました。

お役に立てば幸いです。

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