クライアント・サイドのプログラム開発は、目に見えないサーバとユーザーとをつなぐこと

テクノロジー

前回、「クライアント・サーバ」について、初歩的な考え方を紹介しました。

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今回は、この「クライアント・サーバ」が、最近のフロントエンド開発、JavaScriptやそのフレームワークと、どのように連携して動くのかを紹介します。

SPA(Single Page Application)やスマホアプリはクライアント・サイド

前回紹介した「SPA(Single Page Application)」あるいは、スマホアプリは、「クライアント・サーバ」の概念の中ではクライアントにあたると考えます。

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たとえば、SPAを実現しやすい技術として紹介した、JavaScriptフレームワークの「React」は、以下のような形で動いています。

「クライアント・サーバ・システム」におけるReactの動作イメージ

「React」のソースコードには、HTMLやCSSを書き込むので図で表すと微妙な感じになりますが、とにかくWebクライアントであるブラウザ上で動いています。

「React」で書かれたプログラムは、動的にサーバ上から情報を取ってきては、画面表示を書き換える、ということを繰り返します。

サーバサイドで動く「API」

「React」つまりクライアントから呼び出されるサーバ上のプログラムを、普通「API」と呼びます。

「API:Application Programming Interface」とは、ヒトが見るためではなく前述の「React」あるいは「JavaScript」などでできたプログラムが、情報をやりとりするための仕様(インタフェース)です。

厳密な言葉の意味は、仕様(インタフェース)なのですが、サーバ上で動いているプログラムそのものを「API」と呼ぶことが多いです。

スマホアプリの場合

スマホアプリの場合も、SPA、あるいは、Reactの例と同じようにAPIと通信します。


「クライアント・サーバ・システム」におけるスマホアプリの動作イメージ

スマホアプリの場合、その内部でブラウザを動かすこともよくあります。その場合は、前述のブラウザの例と同じことが、スマホアプリの内部で起こっていると考えればよいです。

APIの正体

サーバ側で動く「API」のプログラムは、どんな言語で書かれていてもかまいません。クライアント側のアプリやJavaScriptはそれを知る必要はありません。

お互いに知っていなければならないのは、

  • どういう形式で入力して、
  • どういう形式が出力されてくるか、

ということだけです。この仕様を一般に「インタフェース」と呼びます。「インタフェース」とは、何かと何かがつながる部分を指す、概念的な言葉としてよく使われます。

出力データの形式は、次の2つがよく使われます。

  • JSON
  • XML

「JSON」はクライアント側の解釈作業が、「XML」よりカンタンになるため、よく使われるようになりました。

2005年頃、「Googleマップ」が登場して、JavaScriptがAPIとデータをやり取りする「Ajax」が一世を風靡しましたが、「Ajax」は「Asynchronous JavaScript + XML」の略なので、このときはXMLが使われていたことがわかります。

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APIの事例:「Googleマップ」のAPI

APIは、プログラムとプログラムがやり取りするための仕組みなので、普通、画面に表示されたりしないので目に見えず、わかりにくい印象があります。

もっとも有名なAPIは、「Googleマップ」のAPIです。

Google Maps Platform Documentation  |  Google for Developers
Google Maps Platform Documentation

JavaScriptを書くだけで呼び出せるAPI(Maps JavaScript API )が用意されており、カンタンに使えます。

Overview  |  Maps JavaScript API  |  Google for Developers
Get started with the Google Maps JavaScript API. View a simple example, learn the concepts, and create custom maps for your site.

前述のサーバ側のデータを呼び出す形のAPIは、たとえば「Geocoding API」がイメージしやすいです。

Get Started  |  Geocoding API  |  Google for Developers
Geocoding converts addresses into geographic coordinates to be placed on a map. Reverse Geocoding finds an address based on geographic coordinates or place IDs.

どんな形式で入力して、どんな形式で出力されてくるのか、サンプルが出ています。

まとめ

クライアント・サイドのプログラム開発について、「クライアント・サーバ」の中での概念的位置付けとその事例を紹介しました。

お役に立てば幸いです。

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