マーケット調査なのか、独自で突っ走るのか、迷ったときの判断基準

マーケティング

何かアイデアを思いついてそれを実現していくときに、業界の状況や流行りすたりの動向など、いろいろと調べることがあります。しかし、調べることにあまりにも時間をかけていると、アイデアを実現するための行動量が減ってなかなか実現できなかったりします。

自分の独自路線で突っ走ったほうがいいのか、あるいは、念入りに市場調査をやってから実行すべきなのか、永遠のテーマに迫ります。

市場調査は、やるなといわれてもしたくなる。

「このアイデア、絶対イケる!」と思っても、世の中そんなに甘くないのは、いまどきだれでも知っています。

また、ネットを使ってカンタンに調べることができるようになったので、何かあるとすぐに検索してしまいます。むしろ競合もユーザーもみんないろいろと調べていることを前提にしてマーケティングが行われたります。

しかし、どれだけマーケティング・リサーチ(市場調査)をしても、未来が予測できなくなった、あるいは、売れるのか売れないのかがわからなくなった、ということが前提にあって、「リーン・スタートアップ」のような手法が台頭したのも事実です。

「しょせんは、やってみないとわからないよね。」ということで、まずは小さくテストしてみるのが、大企業でも中小企業でも常識となりつつあります。

市場調査では、大企業に絶対勝てない

いくらネットが発達したといっても、マーケティング・リサーチにはそれなりのおカネや人手がかかります。マーケティング手法は年々発達していて、新しい考え方や新しい手法もどんどん出てくるので、おカネをかけようと思えば無尽蔵におカネを使うことができます。

つまり、市場調査では、資金のある大企業には絶対勝てない、ということです。

このブログでテーマとしている学生が起業する場合、資金面でも人員でも能力面でも、すべての面で劣っている完全な弱者からスタートします。

しかし、マーケット・リサーチにいくらおカネをかけても通用しなくなった、という状況は、完全な弱者である学生や若者のチャンスが増大していることになるのです。

独自路線で突っ走る効用とリスク

そもそも、学生や若い世代が起業するメリットは、リサーチしなくてもニーズがわかる、ということです。

特に、ネットのサービスは、20代前後をメインのユーザーとして狙うことが多く、歴史的にも10代・20代から火がついて世界にまで広がったサービスが非常に多いのです。

よって、身近に転がっているニーズを拾い上げて、サービスやプロダクトとして具体的にするだけで、大企業の人々には思いつくことができない斬新なビジネスになることがあります。

「あ、おんなじじゃん!」というリスク

独自路線で突っ走ることの危険性は、まったく同じものがすでに世の中にあることです。

リスクを背負ってビジネスを起こすときには、
「どんなに突飛で奇抜なアイデアだったとしても、どこかでだれかが同じことを考えている。」
ということを前提にすべきです。ただ、同じことを思いついた人が何千人、何万人いたとしてもそのなかで実際にビジネスを興す人は少数で、その少数のなかで一番になればいい、という競争です。

テーマにもよりますが、たいていの思いつきは、少しググるだけで似たものが出てきます。

特に最初に見つかるのは、そっくり同じビジネスで成功しているけど自分が知らなかっただけ、というケースです。

あるいは、それでも自分のアイデアに独自性があってもっとうまく行くはずだと思う場合もあるでしょう。

ひょっとしたら一番多いのは、そっくり同じアイデアが大失敗して消えていったケースかもしれません。これは意外と見つかりにくいのでがんばって探す必要があります。世の中に成功談は多いのですが、失敗談はなかなか残してくれないものです。

しかし、失敗が見つかったからといって、「あーやっぱダメなのかー」とあきらめて止めるべきではありません。

市場調査は、絞り込みに使う。

そっくり同じアイデアで、大失敗しているのが見つかったら、実はかなり幸運です。同じ失敗をしないようにすることができるからです。同じやり方、同じお客様ではうまくいかないことを先人が証明してくれたわけですから、感謝して別のルートを通ればいいだけです。

また、リサーチをすることで、いわゆるブルー・オーシャン、つまりだれも参入していない手つかずの市場があることに気がつくこともよくあります。競争相手・ライバルのいないところに、一番に飛び込めば大成功することができるのは、ネットの歴史とともに証明されてきた法則です。これは「先行者利益」と呼ばれます。

スピードを上げよう

つまり、市場調査をすることで、先人たちの失敗に学び、空いているすき間(ニッチ)を見つけられるチャンスが広がります。

するべき失敗を避けて、自分たちの行き先を絞り込めるのですから、これはものすごい時間の節約になります。つまり、スピードが上がります。

現代の起業において、なによりも重視すべきは「スピード」です。

「スピードを上げるためにリサーチをするのだ。」と思っておけば、リサーチしすぎて行動量が減ってしまったり、モチベーションが下がってやる気がなくなってしまったり、ということを防げます。

まとめ

市場調査・リサーチは、必要です。
独自路線で突っ走ることも、必要です。
両方必要なので、この2つを使い分けよう、というのが結論です。

矛盾した2つのことを統合することが経営です。そこにイノベーションが生まれます。

お役に立てば幸いです。

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