スマホゲームをビジネス分析!「BigHunter」のスマートさを解説

マーケティング

今回は、このブログでほとんど取り上げたことがないスマホゲームがテーマです。「Big Hunter(ビックハンター)」という全世界でダウンロード数1000万を超えているスマホアプリです。

注)紹介される機能や仕様は私が当時見た記憶をもとにしており、現在の仕様は異なっているかもしれません。起業のヒントになることを目的とした記事ですので一笑に付してお許しください。

ゲームだって、はやっていたらチェックします

このブログでは、マネジメントだとか、マーケティングだとか、クラウドだという話しばかり出てくるので、ゲームをやるなんて意外かもしれません。しかし、人気を集めているもの、はやっている・流行しているサービスは、どんな業種であったとしても、見てみたいし知りたいし体験してみたいのです。それが、ネットで展開されている、スマホでできるものであれば、なおさらチェックします。

だから、「ポケモンGO」だって開始当初からずっとやっていましたし、最近出た「ドラクエウォーク」だってやりました。自分のアンテナに引っ掛かったものはとりあえず見てみる・やってみることをずっと続けています。

とはいえ、スマホのゲームはあきたところで削除してしまいます。はやっている理由がわかったら削除してしまうものが大半ですが、その中で唯一私のスマホの中に残り続けているのが、今日紹介する「Big Hunter(ビッグハンター)」というゲームです。

ゲームのレビュー自体はゲーマーの皆様にお任せして、主にビジネス面からみてゲームをやってみた感想をコメントします。

広告の出方に納得感→無料ユーザーからの収益増

「Big Hunter(ビッグハンター)」は、無料でダウンロードしてゲームすることができます。無料で使い続けるには広告が出るのを我慢しなければならない・・・のはゲームに限らずいろいろなアプリでも同じです。

しかし、この「Big Hunter(ビッグハンター)」は、広告のはさみかたが絶妙でした。

途中失敗してクリアできなかった場合に、その直後に広告の再生が始まります。しかし、毎回失敗した後に広告が出ると失敗した罰のようになってしまうのですが、微妙に何回か失敗したあとに広告が始まります。ですので、「ウザい!」という感じが薄くなり、広告を見てしまうのです。

広告の種類は、ターゲティングされているかもしれないものの、ゲームの中で再生されるためかゲームの広告ばかりでした。しかし、「ウザい!」という思いがあまりない状態で見るので悪い印象がそれほどなく、実際に、この広告から別のゲームアプリをダウンロードしたりしてしまいました。

広告の中には、ミニゲームで体験できるようになっているものもあり、何回かやってしまったりすると、実際にダウンロードしてやってみる方向に向かってしまいます。

これは、無料で使い続けるユーザーからもしっかりとおカネを稼げる、ということを意味します。

広告は、一般的に、見られた回数(インプレッション数)で報酬が発生するものに加えて、タップされたら報酬が発生するもの、一定時間以上再生されたら報酬が加算されるもの、ダウンロードや会員登録の手続きがされたら課金されるものなど、いろいろな種類があります。広告を見る側にはわかりませんが、アプリ開発者への報酬はいろいろと変化します。見るだけでなく、タップやダウンロードなどの行動をするほうが稼げる金額が大きくなります。

ゲームの邪魔をするかのように突然広告再生が始まる、商魂たくましいアプリが多い中で、好感が持てる設計でした。

広告が出る無料版、広告が出ない有料版、というシンプルなビジネスモデル

App Storeのページを眺めると、ビジネスモデルはいろいろと試行錯誤した形跡がみえます。

しかし、私が体験した範囲では、

  • 無料版:広告が出る
  • 有料版:広告が出ない

の2種類でした。

前述のとおり、ゲームをやっている真っ最中に画面のはしっこにチャラチャラと表示されるようなものではないこともあって、私自身は無料版のままゲームをやり続けました(笑)

それでも十分楽しめて、しかも開発者には収入が入っているところが、クレバーです。

いわゆる「フリーミアムモデル」の一番シンプルな提供形態です。

ゲーム内ポイントを置いておくと、ポイント課金のビジネスモデルに転換可能

ゲーム内では、独自のポイントがたまって、これによって新しい武器と交換できるようになっています。ゲーム内で独自のポイント制度を作っておくことで、あとでポイントを購入するようなビジネスモデルに変化していけることを意味します。

また、スマホアプリを運営していく上での指標として現在ものすごく重要視されるのが「DAU(Daily Active User)」つまり、1日の中でアプリを利用した人数です。「DAU」を向上させることでアプリを広げ、稼ぎを大きくしていくことができます。

この「Big Hunter(ビッグハンター)」では、その日アプリを起動するとボーナスポイントが加算されることで、「DAU」向上の施策を打っています。開発者側にはポイントシステムを追加開発する以外に特に支出になることなく、ゲームにはまっているユーザーにとってはうれしい出来事、というのがこの施策のキモです。

多言語展開が可能、比較的カンタン

ゲームの内容がシンプルで、言葉が必要ないので、多言語化のハードルが非常に低いです。
アクションのおもしろさがメインなので、カルチャーの壁もあまりないと予想されます。

上述のApp Storeページをみたときには、14か国語で展開されていました。

その日本語訳やイラストの芸風をみた感じで、欧米の開発者を想像していたのですが、実際につくっているのは韓国のチームのようです。

たぶんバックエンドが必要ない→運営コストがほとんどない

昨今のスマホアプリ・スマホゲームは、バックエンド・サーバ側にデータを置いておくのが一般的です。
リアルタイム・データベースなど最新のテクノロジーを使って品質の高さと信頼性を確保したりします。
よって、バックエンド・インフラ・クラウドの運用がついて回ります。

これに対して、「Big Hunter(ビッグハンター)」は、外から見る限り、高価なバックエンド・インフラが必要ないと思われます。

セーブデータは、iPhoneであれば、Apple社が提供する「Game Center」に保存できます。これによって、ID・パスワードの運用やデータを保存するサーバを自分で用意する必要がなくなります。

アプリをダウンロードさせるためのサーバは、AppleやGoogleから提供されたものを使っていますし、課金するシステムも同時に利用しています。

システムの運用だけでなく、マーケティング面の運営もApp StoreやGoogle Playにお任せしています。
ゲームサービスでは、イベントを企画したり、キャンペーンをやったりすることがよくありますが、日本向けのものを見る限りでは、Twitterの運営をやっているぐらいで、他に特に目につくものはありませんでした。

よって、開発チームはゲームそのものの面白みを増すコンテンツの追加に集中できるでしょう。

まとめ

スマホゲームの「Big Hunter(ビッグハンター)」について、主にビジネス面から優れたところをピックアップしました。

クレバーな人がものすごく少人数で創ってる感じが伝わってきます。
手離れがよく、収益システム・おカネ生産システムとして秀逸で、事業売却もものすごくしやすいと予想しています。

もちろん、ゲームそのものがシンプルなのにおもしろくておしゃれ?な感じで、思わずハマってしまうのは前提条件です。

お役に立てば幸いです。

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