ECの大きな流れ・トレンドをつかむ

マーケティング

EC(eコマース)の世界は独特です。

単に、ブログやホームページをつくること以外にいろいろなノウハウがあり、動くおカネが大きい傾向にあります。私自身は、Web業界に長く身をおいていても、かっこいいとか、ステキとか、伝わるなどを強く求められる仕事ばかりで、ECにはほとんど縁がありませんでした。

しかし、ネットの世界の動きとしてウォッチし続けてきて、個人的にも食べ物以外はすべてネットで買う生活をしています。Web業界の中でも外側から見てきた日本のEC業界の20年を、極端に短くざっくり解説します。

楽天からAmazonへ

日本で最初に覇権をとったのは、楽天こと「楽天市場」です。

「ECモール」と呼ばれるとおり、ショッピングモールや商店街のようにいろいろなお店が出店して商品を出す、という形式です。
よって、商品の登録は、お店側が好き勝手に(?)出品できる形で、運営されています。

「楽天市場」は、1990年後半のドットコムバブルのプレイヤーで、この時期にIPO、上場しています。

そのあと、2000年に本格的に日本に参入してきたのが、Amazonです。

Amazon.comでつくられたカタチをそのまま日本に落とし込みました。リアル店舗に不可能な多くの種類の商品を並べて、ものすごくニッチでマニアックな要望にも答えられるページと高性能な検索機能をつくりました。

「ロングテール」という言葉がはやったのも、Amazonの台頭と同じ頃だったと思います。Amazonにも、いろいろなお店が入って商品を売れるようになりましたが、表示のしかたは商品が基点になっていて、お店が複数あったとしても、送料込みで一番安い価格をつけているお店が自動的に上に出るようになっています。

Amazonは、いかに短い時間で、少ないクリックで買えるか、ということを追求し続けて、買い物に時間をかけたくない層に受け入れられました。売れスジ(ベストセラー、最近では「Amazon’s Choice」などと表示されたりします)が一発で表示されて、ボタンを1回押せばすぐに購入完了、という流れです。

これに対して、楽天を好んで使っている方は、安くて良いものを探すことが好きで、その買い物プロセス自体に喜びを感じているようです。ページの雰囲気には、ディスカウントストアのようなゴチャゴチャ感があって、その中を探索していいもの見つけることが好き、という感じです。

この好みの違いを象徴するかのように、国内シェアは、Amazon、楽天とも、20%で拮抗しています。(※2017年、 日本貿易振興機構(JETRO)が7月31日に公表した「ジェトロ世界貿易投資報告」 による。参考リンクはこちら

ヤフオクからメルカリへ

もう一つの流れとして、C2C、つまり、お客様間で売り買いされるサービスが出てきました。

王者となったのは、「Yahoo!オークション(ヤフオク)」です。

誰でもオークション出品できる仕組みをつくることで、前述の「ロングテール」的に、買う人が極端に少ないニッチなものが高く売れる、という世界をつくりました。買うほうは、新品よりお得に買えて、探すプロセスと入札プロセスに独特の楽しみがありました。

e-bay」がアメリカを席巻していた手法をそのまま取り入れて、大勝利しました。Yahoo! JAPANは、アメリカのYahooで行われていたシステムをそのまま日本に輸入する成功パターンを、繰り返し行っていましたが、Yahoo!オークション(のちに「ヤフオク」)もこの流れの中にあったと言えます。

スマホが登場したあと、これを揺さぶったのが、「メルカリ」です。

ヤフオクは、スマホ登場前に構築されたために、パソコンで利用することが前提でした。入札プロセスや落札時のコミュニケーションには、それなりの手間がかかりました。

これに対して、「メルカリ」は、スマホでぱしゃっと撮って、さくっとアップして、すぐ売れる、という世界を実現しました。とはいえ、メルカリが登場したときにこれがヤフオクを脅かすと言えたヒトはほとんどいなかったでしょうし、いろいろな記事や創業物語を読むと、メルカリ内部のヒトは大きなリスクを背負っていたようです。

2013年に創業して2016年に黒字化したあと、一気に2018年マザーズ上場を果たし、6000億円を超える時価総額を達成しました。

すぐに小さいネットショップがつくれるサービス

もう1つのトレンドは、数年前から盛り上がってきた、小さいネットショップを、すぐにつくることができるサービスです。

楽天などのモールに出店するには、費用がかかります。(ただし、ヤフーショッピングは2013年に出店料無料を打ち出しました。)

かといって、「EC-cube」などのECサイト専用システムを使って、自分でインストールしたり運用したりするのは、難しいことです。

「EC-Cube」などのシステムを自分で設定できたとしても、ECサイトの場合、決済、つまりおカネを払ってもらえる手段を、手厚く提供する必要があります。支払いのところでつまづくと、お客様が離脱してしまうからです。決済手段を準備するところだけでも費用がかかって、技術知識も必要となり、手軽とは言えませんでした。

これを解決すべく、Webでさくっとネットショップを作れるようにするサービスが、数年前に続々と登場しました。

代表的なサービスは、「BASE」「STORES.jp」です。

自分がやらなければならないのは、ほぼ商品情報の登録だけです。決済手段が用意されているのはもちろん、デザインは選ぶだけ、スマホアプリもあり、集客もある程度やってくれます。

初期費用をほとんどゼロにして、できるだけカンタンに始めてもらい、売れたときに分け前をいただくカタチで収益を得ます。

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