クラウドサービスのトップを走る「mBaaS」のメリットと事例をシンプルまとめ【Firebase機能紹介付き】

テクノロジー

クラウドサービスの大きな流れ、トレンドとして、「mBaaS」取り上げつつ、その代表的な事例として「Firebase」を紹介します。

「BaaS」や「mBaaS」の「B」は「Backend(バックエンド)」のB

「BaaS:Backend as a Service」とは、その名のとおり「バックエンド」を提供するサービスです。

「バックエンド」に対して「フロントエンド」という言葉があります。

「フロントエンド」とは、ユーザーの目に直接みえる、あるいは、ユーザーが直接操作する部分です。たとえば、「フロントエンド開発」というと、現在では、HTML、CSS、JavaScriptを使ってWebサービスを開発したり、iPhoneなどのスマホで動くアプリを作ったりすることを言っていることが多いです。

「バックエンド」とは、「フロントエンド」ではない部分、つまり、ユーザーの目に直接見えることはない部分です。つまり、スマホアプリやJavaScriptプログラム=「フロントエンド」のプログラムから呼ばれて、必要なデータを送り返すのが「バックエンド」の主な役割です。

「BaaS」「mBaaS」が解決したい課題

新しい技術や言葉が出てきたときには、それが解決したい課題を考えると、登場した理由や背景がわかりやすいです。

「BaaS」「mBaaS」が対象としているのは次のような開発です。

「mBaaS」が対象とするスマホアプリ開発

あるいは、スマホアプリの部分が、Web、つまり、ブラウザ上で見るサービス・コンテンツであったとしても同じです。

「mBaaS」が対象とするWeb開発

従来の開発現場では、バックエンド、つまり、前述の図でいうと「(API)」と書いた部分を自分ですべて準備しなければなりませんでした。

そして、API、つまり、バックエンドと、スマホアプリ=フロントエンドがやり取りするための通信のルールを考えて、それに合わせて、バックエンドとフロントエンドのプログラムを開発する必要があります。

世の中にはいろいろなサービス・アプリがありますが、このバックエンド周辺の開発に関しては、みんな同じようなことをやっている、あるいは、同じようなものがほしくなることがわかってきました。

そこで、「みんながよく使うものはこちらで用意しておくから、独自の部分だけに集中してくれればいいよ。」というサービスが出てくることになったわけです。

これが、「BaaS」「mBaaS」と呼ばれるサービスが登場した背景です。

「BaaS」「mBaaS」の具体例:Firebase

「BaaS」「mBaaS」の具体的な事例として、Google社に買収され急上昇中の「Firebase」を見ていきます。

Firebase | Google’s Mobile and Web App Development Platform
Firebase は、デベロッパーがユーザーに人気のアプリやゲームを開発できるよう支援する Google のモバイルおよびウェブアプリ開発プラットフォームです。

Google Cloud Platformにうまく統合(合体)されているので、Googleアカウントをもっていれば、2クリックぐらいで「Firebase」のデモ画面をみることができます。

Firebaseのデモプロジェクトの最初の画面

現時点で、画面が日本語化されていたり、日本語のドキュメントがあったりするところが、普及させるぞ!という本気度を感じます。(機械翻訳の性能が上がってきたので今後は日本語版も増えるかもしれませんが・・・)

メニューを眺めると、何をしてくれるのかがだいたいわかります。(メニューのすべてを日本語化する余裕はないようです。激しく機能追加されていることが想像されます。)

1つずつ見ていきましょう。

Firebaseのメニュー紹介:開発

Firebaseの左メニュー「開発」部分(2018年11月現在)

Authentication:ログインさせますよね

「開発」と分類されたところの最初にあるのは、「Authentication」つまり、あなたのアプリでログインってさせますよね、ということです。

「フロントエンド(アプリ、JavaScript)」側には、数行のコードをコピペしておいてくれれば、あとはブラウザの管理画面でオン!とか設定するだけで使えるようにしますよ、という感じです。

Database:ウリの最新リアルタイムデータベース

「Database(データベース)」は、データベース、データを保存しておける箱ですが、フロントエンド側とリアルタイムにデータを同期する機能があり、このリアリタイムデータベースが「Firebase」のウリとなっています。

Hosting:Webコンテンツをすぐ配信

「Hosting」は、Webコンテンツをすぐにカンタンに配信できる機能です。だれもが使いたいSSLやCDNを半自動でやってくれるところがステキです。

Functions:サーバレスもOK

「Functions」は、「サーバレス」機能を提供します。

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ML Kit:すぐに使えるAI機能

「ML Kit」は、ML:Machine Learning(機械学習)、つまり、AIの機能を提供します。学習済みのAIがカンタンに引いてこれるようになっています。

Firebaseのメニュー紹介: 「品質」

Firebaseの左メニュー「品質」部分(2018年11月現在)

「品質」のメニューでは、フロントエンド側が異常終了した場合に、送ってきたデータを保存してカンタンな分析まで半自動でやってくれます。

パフォーマンス・性能をはかったり、テスト環境を提供してくれたりします。

Firebaseのメニュー紹介: 「アナリティクス」

Firebaseの左メニュー「アナリティクス」部分(2018年11月現在)

「サービスを出したら、どのぐらい使われているかとか知りたいですよね(絶対)」ということで、「アナリティクス」メニューでは、分析画面が提供されています。

「Googleアナリティクス」を使ったことがあれば、何をどうしてくれるのかは直感的にわかります。

だれが、どれぐらい使ったのか、コンバージョンしたのか、マーケティング・ファネルの進み具合はどうか、などが半自動的に分析されます。ですので、マーケティング機能と言い換えてもよいでしょう。

Firebaseのメニュー紹介:「拡大」


Firebaseの左メニュー「拡大」部分(2018年11月現在)

「拡大」メニューでは、グロース、つまり、サービスを成長させていくときにほしくなる機能が提供されています。ですので、「拡大」というよりは、拡販とかサービス拡張というニュアンスです。

「A/Bテスト」を提供・分析する機能や、広告をカンタンに入れられて広告システムと連携できる機能、あるいは、ユーザーにメッセージを送ってアップデートなどの操作を促したいときに利用する機能などがあります。

まとめ

「BaaS」「mBaaS」は、激しく変化・成長していっているサービスで、業界のニーズに合わせて今後も言葉の定義自体が変わっていき、あるいは、違う言葉に変化してトレンドの波をつくっていくと予想します。

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