カスタマージャーニー・マップのつくりかた~UXをまな板の上にのせる手順

マーケティング

「UX」つまり「ユーザー体験」をつくるために利用されるのが「カスタマージャーニーマップ」と呼ばれる手法です。チームでシンプルに「カスタマージャーニーマップ」をつくる方法を紹介します。

「UXデザイナー」の出現

「UXデザイナー」という職種が不足しているそうです。もはやプログラマよりも「UXデザイナー」のほうが求人ニーズが強くこれから有望で給与も上がるだろうと言われています。

「UX」とは、User eXperience の略称で「ユーザー体験」あるいは「ユーザーの経験」という意味です。デザインはこの場合「設計」という意味ですので、「UXデザイナー」とは、「ユーザー体験を設計するヒト」のことを指します。

Webサイトやスマホアプリをつくるには、従来はスマホやパソコンに表示される画面をつくっていくことが主体でした。(このことを「UIデザイン」と言い分けるのが最近のトレンドです。)「UX」という場合、画面だけではなく、それを含んだユーザーの体験全体を作っていくべきだ、というのが「UXデザイナー」という職種の背景にある考え方です。

たとえば、スマホアプリの企画の場合、ユーザーはそれを使うために何か準備して待っているわけではないのが普通です。仕事をしたり、電車に乗ったり、遊びに行ったりする生活時間のなかで、どこかのタイミングでスマホアプリを利用することになります。そうすると、スマホの画面だけステキに作っても、普段の生活の中で使うタイミングがなければ意味がない、ということになります。

「UX」つまり「ユーザー体験」を創り出す:「カスタマージャーニーマップ」

「UX」つまり「ユーザー体験」をつくるために利用されるのが「カスタマージャーニーマップ」と呼ばれる手法です。

えいちゃんのヒトコト
えいちゃんのヒトコト

「カスタマージャーニーマップ」とは、
企画するサービスが実現したときの、ユーザー体験全体をつくること。

「カスタマージャーニーマップ」は1人で黙々と設計することもできますが、チームでつくる作業を行うことにメリットがあります。今回は、チームでカスタマージャーニーマップをつくるときのシンプルな手順を紹介します。

チームでつくる「カスタマージャーニーマップ」の手順

手順1)会議の設定、事前準備

会議を設定します。

ブレインストーミングをするつもりでセッティングしてください。チームメンバーを全員入れることは大事ですがもし多すぎる場合には、できるだけ職種や属性が違うヒトを入れて、会議中の発想の広がりを演出しましょう。

ペルソナ作成と似ていますが、ユーザーインタビューやアンケート調査などのマーケットリサーチを事前に行ってデータを蓄積しておき、参考にすることも大事です。

今回はチームでプロセスを共有することに力点をおきますので、この場合は、市場調査データや各種のレポートなどがあれば、ブレストの準備として読んでおくものの、いったん忘れて会議に望むのが理想的です。

手順2)「カスタマージャーニーマップ」のためのブレスト開始

以下のものを用意してください。

  • 付箋
  • 太めのペン
  • B紙、あるいは、ホワイトボード(付箋をたくさん貼り付けるため)

ブレインストーミングの会議とまったく同じ要領です。
B紙、あるいは、ホワイトボードに大きく線を引きます。

まず、全体を横に4つに分けます。

そして、行動、思い、課題に分けて、ユーザーの体験を整理します。4段目はこの次のステップで書き込むのであけておきます。

「行動」の部分に、テーマとなったサービスやスマホアプリの前後で起こることを書いて貼り付けてください。ブレストの会議と同様に、思いついたことをバンバン貼り付けて、どんどん貼り替えていく作業が発生するよう演出してください。

もし行動ストーリーが複数発生してしまって、どれも捨てがたいとなったら、複数の表を作ってください。ですから、ホワイトボードを使う場合は複数に対応できるよう余裕をもって使うか、B紙の場合も複数広げられるようにしておくと理想的です。

その行動に対して、どんなことを思うかを書いて貼り付けていきます。喜怒哀楽を中心にシンプルに書けば大丈夫です。

そして、そのときの課題を洗い出します。
つまり、左から右へ時間が流れていき、その次に起こる行動・思い、課題を追跡して洗い出していきます。

手順3)「タッチポイント」を追加する

あけておいた4段目には、「タッチポイント」を貼り付けます。見出しの部分に「タッチポイント」と記入してください。

「タッチポイント」とは、ユーザーとの接点のことです。たとえば、次のようなものがあてはまります。

  • ヒト
  • お店、施設
  • Webサイト
  • スマホアプリ
  • 業務システム

そして、このどこかに、企画中あるいはサービス中のWebサイトやスマホアプリが入るはずです。

「カスタマージャーニーマップ」を役立てる

この「カスタマージャーニーマップ」の作成作業をチームで行うことで、メンバー全員がユーザーのことを考えるようになり、ユーザー目線で考える立ち位置が生まれます。その立ち位置が共有されていることが、プロジェクトの終わるときまで作用し続けるでしょう。

また、ユーザーの生活の中でこんな行動をしているから、こういう画面をこの順番で出す、ということが自明的にロジカルに決まっていきます。共有された判断基準が生まれて、スピードが上がり、生産性が上がります。

チームの判断基準となるので、一通り作成した後に、裏付けの調査をしたり、インタビューをしたりすることも大事です。万が一、あとで間違っていたことが判明しても、こう思っていたことをこう変えるのだ、というプロセスをはっきりさせる効果が出るので、方向転換・ピボットするときにも迷いが少なくスピーディーに進められます。

まとめ

「カスタマージャーニーマップ」の考え方、出現の経緯を解説し、チームでシンプルに「カスタマージャーニーマップ」をつくる方法を紹介しました。

お役に立てば幸いです。


コメント