常識を打ち破れ! 企画書にルールなどないのだ

マーケティング

企画書にはある程度のセオリーがある、一般的な形式やルールがある、という記事を書きました。

企画初心者は絶対に知っておくべき! 企画書のセオリー4選
企画書、あるいは、提案書の形式や体裁(ていさい)には、ある程度のセオリーというかルールがあります。 業種や業界によっていろいろなルールがあり、特有の提案書フォーマットが有名になって外にまで広がっている企業もあります。 今回は、企画書作成のセオリー、コツを4つにしぼってお伝えします。 この内容は、ホームページ・Webサイト制作の企画書・提案...

しかし、企画書にはマストのルールはありません。
なぜないのか、ないならどうすればいいのか、どう考えればいいのか、についてコメントします。

企画書にマストのルールはない

企画書・提案書には、必ずこうでなければならない、マストのルールはありません。そして、一般的な形式、一般論やその形式は、業界や業種で変わりますし、企業などの組織カルチャーによっても異なります。

極論すると、形式や内容はなんでもよいのです。なぜ、なんでもよいのでしょうか。

企画書には必ず、相手がいる

企画書のそもそもの目的・存在する理由は、企画や戦略を伝えるためです。

企画意図や戦略は、基本的に目に見えないため、形にする必要があるのです。つまり、目に見える形にしてわかりやすく伝えるために、企画書を作ります。

ということは、企画書をつくる以上、必ず伝える相手がいるわけです。

相手に伝わるのが目的であり存在意義なので、逆に言うと、相手に伝われば企画書の存在意義は達成されるわけです。その日その時その場所で、特定の相手に伝われば万事OKです。だから、その限定された状況で伝わるなら、形式や体裁(ていさい)はなんでもよい、ということになります。

A4横のスライド形式じゃない、企画書の事例

では、一般的なA4あるいはA3横のスライド形式ではない、企画書の事例を紹介します。

ヘタウマのマンガ

大手広告代理店の一世を風靡した、とあるTV CMのディレクターは、プレゼンのときにヘタウマの自作マンガを使うことで有名でした。「その日そのときその相手に伝わればいいのだ」という考え方の典型例だと言えます。

実際のところ、映像やちらし、Webサイトなどの広告媒体の成果物をつくるときに、設計図や設計資料からできあがりを想像するのは、かなり難しいのです。

建築を想像するとわかりやすいと思います。
家の設計図から家のできあがりをきちんとイメージできるのは、その道のプロフェッショナルだけでしょう。そのまま職人さんが動けるようにと、きちんと書かれていればいるほど、素人には読み取ることができなくなります。

ヘタウマのマンガは、どんなものを作りたいのかが、おそらく一発で伝わるのでしょう。できあがりが想像できて、そのCMがどう思われるかが、クライアント・お客様にすぐ伝わるので、企画意図さえ合っていれば「よしやろう!」という結論に持っていけます。

1枚に表現

1枚ものに表現する企画書は、ルールを壊しているとは言えないぐらい、普及しています。A3版以上、場合によってはB1版などに大きい形で表現される企画書は、よく使われています。

手書きで1枚であるべき、と主張している書籍もあるほどです。

全体を俯瞰(ふかん)できることが大きなメリットです。
ページものの書類と比べると、全体の流れがわかりやすくなります。同じ目線でその企画に取り組むチームでの議論や、何度も議論を重ねていくときの資料として、向いています。

デメリットは、どこに何が書いてあるかを読み取る労力を、見る側・伝えられる側に要求することです。よって、コンペなどで1回だけのプレゼン、経営者・エグゼクティブなど数分しか話しができない相手に対しては、向いていない形式です。

トヨタ社の改善提案書

1枚ものの企画書形式でとても有名なのが、トヨタ車の改善提案書です。いわゆるQC活動に関連して、ビジネス書や一部のコンサルティングでも多用されました。たとえば、このような感じのものです:

日経BP
日経BPは日本経済新聞グループの一員として、経営・技術・生活という3分野で主にビジネスパーソンに向けて事業を展開しています。その内容は、雑誌・書籍の出版事業、デジタル事業、展示会・セミナーなどのイベント事業、調査・コンサルティング事業など、多種多彩なメディアとサービスを駆使して、高付加価値の先端・専門情報を提供しています。

どこに何を書くべきかが決まっているところがミソです。

承認・判断をする「見る側」と、議論するメンバー全員が、その形式に慣れていることが条件です。パッと見てどこに何が書いてあるかがわかり、企画意図・提案内容の検討に集中できることが、とても大事です。

書籍の企画

とある編集者兼ライターの方から聞いた話しによると、ビジネス書など書籍の企画書は、A4縦1枚、文字ばかりで2000文字程度の形式が、一般的だそうです。

そのペラ1枚で、やるかやらないかを決めます。厳しい出版業界では1冊出すか出さないかに社運がかかる場合も多いそうですが、その重要な判断が、その1枚で決断されます。

その相手は何人なのか

企業や組織が相手の場合、関係者・ステークホルダーが複数いるほうが普通です。よって、複数の目に耐えるだけの普遍性が必要です。

逆に、超ワンマン社長の企業が相手の場合、担当者や複数の関係者がいても、その社長のためだけに書くほうがいい結果が出るでしょう。社外から企画提案する場合、社長に直接プレゼンする機会が与えられないかもしれませんが、ワンマン社長に話しをする担当者や関係者も、社長のためだけに書かれた企画書のほうを喜ぶでしょう。

「キーマン」を中心に微妙な人間関係をとらえる

「キーマン」という概念が重要です。

「キーマン」とは、そのヒトがイエスといえばみなイエス、そのヒトがノーと言えばみなノーになる、いわゆる実権を握っているヒトのことです。

役職の一番エラいヒトであることもありますし、単なる関係部署の担当者であることもありますし、外部のコンサルタントであることもあります。これが明確に見える化されていないのは、日本のカルチャーによるのかもしれません。

それでも、「キーマン」がだれなのかを見抜いて、そのヒトがイエスと言いたくなる企画書を書くのが、プロの条件です。

ルールはやっぱり大事。一般論の存在意義

毎回毎回、相手のことを考え抜くことが本来は必要ですが、疲れます。わからないまま時間切れになることも、非常によくあります。だから、一般論があります。

そして、一般論や基本を踏まえた上で、知った上で、あえてぶっ壊すことが、相手に伝わるコツであり、企画書をつくる仕事の醍醐味です。

まとめ

企画書のセオリー、常識的なルールは絶対ではなく、その相手に伝わることが条件だ、ということを紹介しました。

お役に立てば幸いです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました