スタートアップの必読書「起業の科学」を超訳つまみ食いする7つのステップ

マーケティング

スタートアップ企業の必読書としていろいろなところで取り上げられている「起業の科学」という本について、その活用法をお伝えします。特に、業界経験のない素人、あるいは、学生さん向けに、超訳つまみ食いを試みます。

「起業の科学 スタートアップサイエンス」の紹介

田所 雅之氏は、自身の起業ノウハウを落とし込んだ渾身のスライドを、大胆にもすべて公開してしまって話題になりました。

最新は2018年版として、現在も公開されています。

このスライドの内容を書籍としてまとめたのが、この本です。

スゴイ知識が詰め込まれているのですが、重い・・・

「起業の科学 スタートアップサイエンス」には、著者のノウハウがためらうことなく落とし込まれているのを感じるのですが、内容がブアツくて、初心者や未経験者が取り組むには非常に重い内容になっています。

たとえば、上述のスライドページにまとめられている全体像を表す図があります。

これを見ているだけでもお腹いっぱいになるぐらいで、自ら実践するのは非常にたいへんでとっつきにくい印象を受けてしまいます。

【朗報】「入門 起業の科学」入門編が出ました。

おそらく似たような感想・コメントをたくさん受けたのでしょう、前作をさらに短くまとめなおした本が2019年に発売されました。

前作は、とても正直に言うと、スライドとその解説がほとんどそのまま本の形になっているだけ、という印象が強かったのですが(失礼)、この書籍は編集の手がきちんと入ってまとめなおされている感じが出ていて、とても読みやすくなっています。

内容も、「PMF(Product Market Fit)を達成するまで」に絞り込まれているため、狙いが明確でよりわかりやすくなっています。

とてもオススメな内容なのですが、これも学生や未経験者が自分たちだけで取り組もうとすると、かなりのハードルの高さを感じるでしょう。

そこで、この「入門 起業の科学」を超訳して、さらにさらにシンプルに、入門の入門の入門ぐらいの形に集約して、実際にやってみるときにどうするか、未経験者がとりあえず第一歩を踏み出すにはどうするか、ということを考え、実践してみました。

【全体の手順7ステップ】まずは「リーン・スタートアップ」のループを1回まわすために。

早速、全体の手順を紹介します。
この手順をひと回り行うことで、「リーン・スタートアップ」のフィードバックループを一回まわすことになります。

手順1)アイデア出し、分類、絞り込み

課題と顧客を明確化します。

詳しい手順はこの記事で解説しています。

手順2)ペルソナ作成

顧客をさらに絞り込みます。

詳しい手順はこの記事で解説しています。

手順3)カスタマージャーニーマップ作成

顧客の行動を、生活全体からとらえなおすのが、昨今のトレンドです。

詳しい手順はこの記事で解説しています。

手順4)プロトタイプ作成

製品を具現化します。インタビューを行うために作成します。

詳しい手順はこの記事で解説しています。

手順5)インタビュー項目作成

何を聞くべきかしっかり考える時間をとります。

詳しい手順はこの記事で解説しています。

手順6)インタビュー

顧客の生の声を聴きます。

手順7)得られた知見をまとめて、考える

インタビューで得られた知見をまとめ、どうするかを考えます。
おそらく多くの場合、プロトタイプを修正してその内容を反映したくなるでしょう。

しかし、手順1)に戻っていくのが、正しいやり方です。

課題と顧客の設定は合っていたのか、ペルソナは正しかったのか、カスタマージャーニー・マップの精度も評価したくなるでしょう。このあたりまできたら、「入門 起業の科学」を再度開いて、各トピックを深堀りしていきます。

起業の科学 超訳「7つの手順」のメリット

この手順を丁寧に踏むことは、たくさんのメリットがあります。

経験がなくても、カリスマでなくても、前に進める

ペーパープロト、つまり、紙芝居ではありますが、これをやればアイデアが実際に形になります。

紙芝居の効用は、実はかなり大きいのです。
インタビューに活用するために作りますが、それは精度を上げていけばそのまま設計図となります。設計図があれば、どうしたら作ることができるのか相談できるようになります。
また、具体化されたことで、それを一緒にやってみたいという同志を獲得することもできるでしょう。

シンプル、かつ、奥深い

資料など見るまでもなく、一度やったら覚えられます。
しかし、それぞれのステップに奥深さがあります。深堀りしたい場合に用意されている知識は「起業の科学」含め数多くの本があり、ネット上にも大量の知識があります。

チームで行う効用があるが、1人でもできる

チームで行うことの効用は、こういうプロセスを一緒にやることで、全員が顧客目線・ユーザーの立場に立てることです。あるいは、チーム全員が同じ立ち位置からユーザーを眺められるようになります。これは実際の現場ではなかなか実現できないことです。だいたいは、ユーザーを見ているのはチームリーダーやPMだけで、あとのメンバーはリーダーや上司を見ていることもとても多いのが現実です。

しかし、この「7つのステップ」は1人でも実践できます。アイデアを絞り込んで、ペルソナ、カスタマージャーニー・マップ、プロトタイプをつくって、意見を聞きに行けばいいからです。

後戻りが減って、生産性が上がる

「起業の科学」には、「失敗の99%は潰せる」と書かれていますが、こういう手順を丁寧に踏むことで、実際に後戻りが減って生産性が上がります。

逆に言うと、「何か作ろうと思ったら、これぐらいのことはやっておこう・考えておこう」ということです。

スタートアップの初期、シード期の経営では、資金がなくなるまでの時間と競争になっていることも多いので、後戻りが減ることは事業の成否を分ける非常に大きなことです。

うまくいかないときに、どうしたらいいのかを考える道すじになる

ここで行っているのは、一言で言い換えると「仮説の検証」です。
仮説の検証を繰り返すのが、「リーン・スタートアップ」の中心であり、ビジネスを進めていく上での仕事の本質とも言えます。

手を動かし、人と会い、実際に行動することで、否が応でも考えることになります。行動して考えることで、自然に戦略的になります。最初に立てた「仮説」のどこが合っていて、どこが間違っていたのか、次の「仮説」を検証するにはどうしたら最短の道なのか、を自然自然に考えるようになります。

ネット・ITでなくとも、使えるノウハウ

「リーン・スタートアップ」は、シリコンバレーのベンチャー、つまり、ネットやITのビジネスで使うものと思われていますが、これらの手法は実は別の業態でも活用できます。

たとえば、「X-Tech(クロステック」と称されるビジネスは、これらITビジネスのノウハウがすべての業界に通用し、浸透していくことを示しています。

費用が安い。必要なツールは、ペンと付箋と紙だけ

これらを実践するのに必要なツールは、ペンと付箋だけです。
付箋を貼り付けるB紙があればよいですが、ホワイトボードや壁も使えるでしょう。

ペーパー・プロトタイピングを行うには、紙が必要です。(ペーパーだけに)

複数人で実践する場合、チームが定期的に集まって、わいわいと話しができる場所も必要です。
椅子とテーブル、ホワイトボードがあればベストです。

まとめ

田所 雅之氏の「起業の科学 スタートアップサイエンス」を超訳するところから始めて、ゼロ・イチを実際に実践するにはどうするか、その具体的な手順を「7つのステップ」としてまとめました。

お役に立てば幸いです。

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