アイデアを出し、考えを練るノウハウとして「リーン・スタートアップ」をとらえなおす

マネジメント

このブログでは、「リーン・スタートアップ」を実践・実施するときのテクニックとして、ターゲットユーザーのことを考える「ペルソナ」や、ユーザーの行動を考える「カスタマージャーニーマップ」の作成を勧めています。また、ユーザーへのインタビューや、プロトタイピングについてもコメントしています。

これらの手法・テクニックを使うメリットを、あらためてまとめます。

「考えを練る」のは意外と難しい

アイデアを出してビジネスを考えていくときに、何もないところから「考えを練っていく」のはとても難しいことです。とっかかりというか、アイデアが出るきっかけや、考えを深めていくヒントのようなものがあると、進むスピードが上がっていきます。

インターネット・サービス、IT系のビジネスを組み立てるときに、考える道すじ、手順、手がかりがほしい……そのニーズにこたえるのが、冒頭紹介した手法です。

メリット1)シンプル

それぞれの手法は、ものすごくシンプルです。メモするまでもなく覚えられます。

しかし、実際にやってみるとなると結構たいへんです。

「カスタマージャーニーマップ」にしても「ペルソナ」にしても、ヒト一人の人格を作り上げてその行動をすべてシミュレーションしていくつかのパターンに整理することは、時間もかかりますし手間もかかります。

そして、人間の行動を追いかけるわけですから、そこには当然、心理学、社会学、人間学のようなものが入り込んできて、それをテクノロジーと組み合わせることとなります。つまり、手法はシンプルでありながらも、結構奥が深いのです。

メリット2)チームで行う効用

「カスタマージャーニーマップ」の作成や、インタビューの準備を、あえてチーム全員で行うことでよい効果が生まれます。

これらの手法はすべて、ユーザー・お客様のことを集中して考えることを求めてきます。つまり、チームのどんな職種のヒトも、一定の時間、ユーザーのことを一生懸命考える時間をとることになるわけです。ただ面倒くさいように見える場合もあるかもしれませんが、この時間をとることがとても重要で、後工程の見えないところでじわじわ効いてくることが多いのです。

メンバー横並びでユーザーに向かう姿勢をつくる

つまり、ユーザー目線をつかんで、あるいは、チームメンバーが横並びになってユーザーのほうを向いて、サービスをつくりビジネスを開発することを演出できます。

5人、10人の組織ができると、その目線はついついそのリーダーに向きがちになります。チームのリーダーはお客様のほうを向いているのですが、チームメンバーはリーダーのほうを向いて仕事をしてしまいます。そのほうがメンバー各個人にとっては合理性があるので、自然のままにしておけば必ずそうなります。

チームリーダー、つまり、チームの内部ではなく、ユーザー・お客様・チームの外部に目を向けてそこに集中してもらうには、工夫が必要です。これが、一連の作業をチームで行う理由です。

ただ、これらの手法は、1人でも行なえます。協力者の出現は、なかなか自分でコントロールできませんから、協力者が現れるまでは1人でもプロジェクトを進めることができます。

メリット3)生産性アップ

製品の完成度を上げるのは、時間と人手が必要です。

「リーン・スタートアップ」以前のモノづくり、ウォーターフォール型のプロジェクトでは、場合によっては何年もかけて開発したサービスや製品が、失敗してしまう事例がたくさんありました。

この「リーン・スタートアップ」と一連の手法では、スピードを超重視します。

紙芝居でいいからお客様に見せて実験せよ、実証してデータをとれ、と勧めてきます。これは、後戻りを極限まで減らそうとしている、といえます。後戻りが減れば、時間の効率がよくなり、人員が少なく済みます。よって、生産性が上がります。

メリット4)うまくいかなかったときに、考えるスジが生まれる

「リーン・スタートアップ」では、仮説を立ててそれを製品の形にし、ユーザーに渡して検証・実験する、という手順を繰り返すことを求めてきます。

「ペルソナ」で考えるユーザー像、「カスタマージャーニーマップ」でつくるユーザーの行動パターンは、すべて仮説です。事実に基づいていても、つくった直後は机上の空論です。

これらの仮説が正しいのか、実際に実地に試しなさい、と言っているわけです。

仮説なので、間違っているかもしれません。実験なのでうまくいかないことがあります。

このときに、仮説の構築をきちんと練っていればいるほど、次のアクション、次の行動が速くわかります。

何が間違っていたのかがはっきりする、あるいは、何が間違っているのかをはっきりさせるためのアクションが、すぐにわかるようになります。

行き詰まっているときというのは、要するに、次のアクションがわからなくて困っている状態です。最初から次のアクションが次々と生まれてくるような仕事のしかたは可能です。

これは、製品を世の中に出した後にもずっと続いていきます。仮説の検証を繰り返すことで、サービスの品質が上がっていきます。

メリット5)ネットのサービス以外にも使える

「リーン・スタートアップ」とその一連の手法は、インターネット上でのビジネス、Webサービス、スマホアプリ開発などに利用されることを想定していますが、ある程度普遍性があります。

つまり、IT系以外の他の業界のサービスや製品にも応用できる手法です。

ユーザー・お客様は必ずいます。その人格があり行動パターンがあります。相手がヒトであれば(対価を払うのはヒトでしょうから)インタビューすることも可能でしょう。ペーパープロトタイピングが不可能であればなんらかの形でプロトタイプ風のものをつくることは可能でしょう。

まとめ

「リーン・スタートアップ」を実践・実施するときのテクニックとして、「ペルソナ」「カスタマージャーニーマップ」「ユーザー・インタビュー」「プロトタイピング 」を行うことのメリットを、「考えを練る」という観点から紹介しました。

お役に立てば幸いです。


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