タイピングスピードが極限に達してしまったと感じたらチェックするべき2つのこと【プロ用】

ストーリー

もう、もうろくしたのだと思った。
年を取るということを意識的に気にしないようになったころからだから、少なくとも5年以上はさかのぼる。

タイプミスが異様に増えだしたのだ。
初めて独学でタイピングを練習し始めてから30年以上の月日が過ぎた。大学ではソフトウェアを学び、サラリーマンになってから毎日ワープロ(死語?!)を打ち、そのあとネットの仕事について、毎日毎日パソコンに向かったので、文字通り目にもとまらぬ速さでキーボードを打てるようになって、長い月日がたっていた。

なのにいまさら、タイプミスが増えてきたのだ。
年を取って衰えたのだとは、一滴(ひとしずく)でさえも考えたくなかった。しかも、いまでも仕事で毎日毎日タイピングしているのだから、修練が足りなくなったのだということも考えにくかった。しかし、ミスは増える。

悲しかった。
正確に言うと、その悲しさを意識することはあまりなかった。考えたくなかったからだ。こんなに毎日毎日打っているのに、それを超えるスピードで衰えていくなんて、そんなおそろしいことは考えなくなかった。深いところに悲しみをかくした。

そりゃ、超一流の芸術家たちやスポーツマンは違う。ピアニストは15歳がピークでそのあとはそれが衰えないために練習するのだ、と聞いたことはある。地元から次々と世界で活躍するヒトが出たフィギュアスケートだって15歳ぐらいで開花して10年もたたないうちに引退していく。でもそれは……あまりにも比較の対象が違うだろう。

考えたくないがために、何の対策も打たず、毎日ガマンしながら何年か過ぎた。ある日、このブログ記事を見て衝撃をうけた。

「速すぎると取りこぼす、だと!!??」

「Nキーロールオーバー」というらしい。のろい機械に同時と思われるぐらいのスピードで打ち込むと、早すぎてタイプをとりこぼすというのだ! なんてことだ。機械がついてこれないほど、つまり、このシンプルなキーボードというデバイスがついてこれないほどのスピードがある、ということ自体を、考えたことがなかった。

高額のキーボードがあることは、ずいぶん前から知っていた。たとえば、「Realforce」シリーズは気になってはいた。

しかし、機械式のカチャカチャいう感じがなじめず、買うまでにはいたらなかった。何度も買ってみようと思ったことがあったが、電気屋でさわってみるたびに、カチャカチャ感になじめずやめるのだった。最近高性能なパソコンや周辺機器に、「ゲーミング**」と名づけられたものが出ていて、キーボードも出ている。しかし、これらの製品もほとんどすべて「カチャカチャ」いうために、敬遠していた。

しかし、実際に使ってみないとわからないこともあるのだ。

上述のブログに、「Realforce」シリーズと並んで評価の高い「Happy Hacking Keyboard」の静音タイプ、という製品が紹介されていた。

「静音……」
「Happy Hacking Keyboard」については、何度も何度も記事を見て実物を見て評判を読んでいた。キーボードに文字が書いてない「無刻印」のタイプは何度も話題になっていた。

取りこぼしがないかもしれなくて、このタイプミスはキーボードという機械の取りこぼしが原因かもしれなくて、カチャカチャ感がないのかもしれない……Amazonのウィッシュリストに入れて2日間悶々としたものの、勇気を出して買ってみた。

到着後、おそるおそる箱をあけてパソコンにつないでみると……なんと! ウソのようにタイプミスがなくなった。本当にキレーイに打てるのだ。機械が取りこぼすほど速く打っていたということが証明された。

しかし、それでもまだ、イライラは止まらなかった。

かな漢字変換が遅いのだ。
1フレーズ打ってから変換して確定して次のフレーズを始めたころに、前の1フレーズが確定されて表示される、という状態だった。キーボードを買ってタイプミスがなくなり、ストレスが1/3ぐらいに減ったものの、使いにくいのは変わらなかった。

最初は、「Evernote」を疑っていた。

Welcome Back

Evernote」にブログ原稿を書きためるようになっていたので、この当時の主戦場は「Evernote」のWindowsアプリだった。実際、記事が増えてくると遅くなるという現象があり、隠しメニューから最適化をやったりすると、最初のうちは少しだけ早くなったが、まただんだんと遅くなっていった。

なかばあきらめ状態のまま、ブログのアップ作業を始めた。WordPressの管理画面で最新バージョンの「Gutenberg」エディターを使い、書きためた原稿記事をアップし始めた。

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「アレ……遅い……」
実はかな漢字変換のスピードは、WordPressのエディター上で書くときも、Evernoteで書くときと同じぐらい遅かった。最初のうちはEvernoteから原稿をコピペしていたので気がつかなかった。タイトルだけは1記事1記事考えながら打っていたが、保存するたびに削除されてしまう「Gutenberg」エディターの不具合のほうに気を取られていて、かな漢字変換の遅さに気がついていなかった。

「ま、まさか……」
かな漢字変換ソフトは、ずいぶん前から「Google日本語入力」を愛用していた。リリースされた直後からだからもう9年になるらしい。その変換性能はなかなかかゆいところに手が届く。

以前仕事で検索エンジン開発をのぞいたこともあったから、大量の検索キーワード(クエリ)を持っていてそれを分析できることが、どれだけの効果を生むかリアルに想像できた。そのとき、競合他社として「Google」のサービスをみていたから、彼らがどれだけスピードにこだわっているか、0.01秒とか、0.0001秒とかのパフォーマンスを追い求めていることをも知っていた。

これに対して、Microsoft社の製品は、重量級で遅かった。20年以上前に自分でパソコンを組み立てていた時代から、Windowsの遅さ、Office製品の重さを肌で感じながら仕事をしてきた。

だから、信じられなかった。そんなことは絶対にないと思っていた。
MicrosoftよりもGoogleが遅いなんて、絶対にありえないと信じ込んでいた。

しかし、ふと気がついて、「Google日本語入力」から、Windowsに最初から入っている「Microsoft-IME」に戻してみると、なんと! かな漢字変換のスピードが劇的に改善したのだった。1単語ずつ変換しても待ちきれる時間でレスポンスが返ってくる。あたり前の姿に戻った。

「Google日本語入力」は、一度アンインストールして、再度インストールするとスピードが改善するらしい。しかし、失われた信頼感へのショックは大きく、裏切られた(勝手な)信仰の傷は深い。もう一度インストールしようという手間をかける気力が湧くまでにずいぶん時間がかかりそうだ。


【追記】Microsoft IME でオススメする追加設定

「Google日本語入力」から、Windowsに最初から入っている「Microsoft-IME」に移行する(戻す)と最初に物足りなくなるのは、検索サービスのデータを利用した変換です。お店の名前など固有名詞をズバッと出してくれたりするアレです。

実は、「Microsoft-IME」にも同じような機能が以前からあったのですが、デフォルトでONになっていないため、ONにしてみることをオススメします。(デフォルトでONにすれば、Google日本語入力を駆逐できそうなのにね)

IMEに切り替えたら、タスクバーの時計の隣にある「あ」とか「A」とか出ているところで右クリックします。「プロパティ→詳細設定(ボタン)→予測入力(タブ)」とクリックしていくと、「クラウド候補」というチェックボックスがあるのでそれをONにします。Windowsもどんどん変わっていくようになったのでスクリーンショットを貼り付けてもすぐに古くなりますが、貼っておきますね。

Microsoft IMEの詳細設定 画面
Microsoft IMEの詳細設定 画面

バグいっぱいあるけど「Gutenberg」はオススメですよ。↑このスクリーンショットも「Ctrl+V」つまりペースト一発で貼り付けてくれます。「Ctrl+S」で保存されるのも最高です。


【追記:東プレ Realforceも買いました(最高)】

HHKBの静音タイプを買ったことを書きましたが、後日Realforceも買ってしまいました(笑)

「R2S-JPV-IV-KP」というタイプなんですが、Amazonでは現在在庫がないようですので、ヨドバシのリンクも貼り付けておきます。

https://www.yodobashi.com/product/100000001003732565/

上述のHHKBよりもかる~いタッチで押されてしまうタイプで、キーボードの上を触っていると押されてしまうぐらいの感じですが、かなり快適です。

これはこれで、離れられなくなってしまう魅力を持っていることが、よくわかりました。

もちろん、タイプミス激減ですむーーーーーずに打てます(笑)

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